撮 影
カメラマン|しだらまさひろ
Kenchiku
Story
立地と土地の広さから、築40年の中古戸建を8年前に購入して暮らしていた住まい手さん。
雨漏れや冬の寒さ、小動物の侵入に悩み、具体的な要望があったわけではありませんが、「子どもの成長とともに、家族が健康で安心して暮らせる住まいにしたい」という想いが計画の出発点となり、住まいづくり相談会へ足を運んで下さりました。
性能向上リノベという選択
住まいの周辺は閑静な住宅街。近隣の庭木も四季折々に変化し街散策が楽しめるような環境です。
計画敷地は約50坪と都内にしてはゆったりとした敷地面積ですが、旗竿敷地いっぱいに建物が建っており、風が通り抜けにくい印象を持ちました。

室内は廊下がとても寒く、リビングは加湿器と暖房を稼働し続けている状況でしたが、床や柱は美しさを保ち凛とした佇まいでした。

中古住宅をこれから20年、30年と住まい続けるための選択は様々です。
住替え|今の住まいを売却して、別の住まいを購入
建替え|今の住まいを更地解体して、新築
リノベ|今の住まいを活かして、更に長く住めるようにする
今回、私たちがご提案したのは、凸凹している建物を小さく「減築」して構造を整え、高断熱と自然素材で設える性能向上リノベーションでした。

見える化リノベーション
空間をおおらかにつなげる空間づくりや自然素材の仕上げは、私たちがいつも建築している新築住宅と同じですが、構造検討だけは新築のように机上の計算だけという訳にはいきません。
既存の柱・梁がどうなっているか、解体後に既存状況を図面におこしてから補強方法を検討し、正しく効果を発揮しているか現場でも計測して確かめながら進めていきます。
古い柱と新しい柱が力の流れをバランスよく受けられるように、制震壁を17カ所設置して繰り返しの地震にも対応できるようにしました。リノベーションではまだ少ない上部構造(基礎以外)部の許容応力度計算や、ウォールスタッド解析、微動探査計測など様々な方法で耐震性を確保。
計画から完成まで、数値と実測により性能向上を確認
既存建物の微動探査
解体後の実測調査
構造計算・耐震シミュレーション
補強工事中の固有周期測定
改正後の微動探査再測定
エネルギー使用量の確認(回路ごとの電気使用量のおよび各階の温湿度計測)
構造やエネルギーの数字を全て見える化することで、建築中も、暮らしてからも安心できる住まいづくりです。

間取りと、お庭の計画
間仕切りを最小限に抑え、空間が緩やかにつながる構成としました。
住まいの温熱環境は屋根断熱と壁付加断熱で、断熱等級6相当の快適な空間に性能向上され、冬は床下エアコン1台・夏は2階の壁掛けエアコン1台+熱交換換気型一種換気で、年間通して安定した温熱環境が確保されました。
それに加えて減築によって生まれた敷地の余白にはお庭をつくり、土と緑の空間にしました。家のまわりが土になることで、夏の輻射熱を抑える効果も期待しています。

もしもの備え
今回、性能向上リノベーションで耐震改修をしたことや、断熱改修をしたことは、ただ日々の暮らしに安心と快適を与えるだけでなく、災害時への備えにも繋がっています。
建物を減築したことによって、旗竿敷地でありながら2方向避難経路を確保できたり、近くで暮らされているご親族にとっても、在宅避難な可能な拠点になりました。
古い家だから仕方ない、この家はいつまで地震に耐えらえれるだとうか‥と日々不安を抱えながら暮らすことがなくなり、さらに、もしもの時も暮らせる場所があるということが、今回性能向上リノベーションを実施した一番良かったことだと思います。
暮らしはじめて10カ月
住まいに対する将来への不安をきっかけに、参加した住まいづくり相談会。
当初は、ここまで大規模な改修になるとは想像していなかったものの、「決断して本当に良かった」とのお言葉をいただきました。

撮 影
カメラマン|しだらまさひろ
Kenchiku Date
設計監理
増木工務店
増木工務店
木 造2階建て
184㎡|55坪
建物性能
耐震性能
耐震等級3相当|許容応力度計算実施
断熱性能
断熱等級6|HEAT20 G2相当
気密性能
建築時測定結果|0.2㎠/㎡
構 造
木造在来工法
断熱仕様
屋根断熱 |ネオマフォーム100㎜
ー
壁付加断熱|ネオマフォーム60㎜
106.79㎡|32.29坪
2024年|リノベーション
建物仕様
屋 根
ガルバリウム鋼板 竪ハゼ葺き
外 壁
ガルバリウム鋼板|杉板張り
開口部
YKKap APW330
床 材
埼玉県産•西川材 スギ
室内壁
オガファーザー貼り 無塗装
天 井
クロス貼り
































