撮 影
カメラマン|しだらまさひろ
記 事
増木工務店|髙木恭子
Kenchiku
Story
住まい手のO様とはじめてお会いしたのは2021年の夏に開催しました、草木のいえ完成見学会。
O様ご夫婦はご見学後、お二人の思い描く暮らしについてたくさんお話してくださりました。自分たちの暮らしだけではなく、地域とつながりを持ちながら交流の場をつくりたいという想いで、約2年前から建築家と計画を進めていました。
建築計画地は、湧き水が流れる林の中を散策したり、草や鳥の声を楽しむことができる沢の入り口近く。建築家のatelier-dwell•河原崎先生に見せていただいた計画図面は、2等辺三角形のとんがり屋根や、ポコポコとランダムに飛び出た小さな出窓が特徴的なとても可愛らしく、絵本の中に出てきそうなお家でした。
O様ご夫婦の雰囲気にピッタリのお家、そしてご夫婦の人柄に惹かれ、ぜひ私たちの手でこの住まいをカタチにしたいと心が躍ったのを今でも覚えています。
建築家との建物づくり
道ゆく人たちの目を引く外観デザイン。
赤いとんがり屋根に、ご主人がつくるスパイスカレーをイメージした鮮やかな黄土色の外壁。大通りの少し離れた所からも目を引き、この町のシンボルになりそうなとても可愛らしいフォルムのお家です。
建物の構造は、耐震性能が向上するという理由で鉄骨の梁を用いたテクノストラクチャー工法をご提案し、採用していただきました。梁や屋根垂木をそのまま室内に現し、屋根裏の広さはそのままに間仕切り壁を建てて空間をつくりました。
室内の壁と床は桧のインテリア合板で仕上げ、木のぬくもりと観葉植物が映える空間になりました。
お引渡しのその後
お引渡しから半年。
O様の住まいを訪ねると、お父さまが以前から大切にされていた常緑のシンボルツリーに加え、新しく植えた花や植木が増え、道行く人の目を惹きつける佇まいになっていました。
窓辺には旅で出会ったお気に入りのオブジェが並び、外からも楽しめます。
この建物に人が集い、そこから始まる笑顔の連鎖が地域のコミュニティーを育み、この町の価値へと広がっているようでした。ご夫婦の人柄がカタチとなり、個性的でありながら、町に溶け込む他にはない住まい。
これからもたくさんの植物やアートが溢れる住まいに、街になっていってほしいと思います。
撮 影
カメラマン|しだらまさひろ
記 事
増木工務店|髙木恭子