撮 影
カメラマン|根岸 功
記 事
増木工務店|堀越
Kenchiku
Story
風景を切り取る建物配置

今回は山形県米沢市での建築です。
首都圏の土地に比べ、ゆとりのある敷地のため、どこ位置に、どこを向いて住まいを建てるのか、私たちは建物の配置計画を大切にしています。
分譲地一番奥の一画。南側には2階建ての住宅が建っていますが、西側には田園風景も広がっており、一番多くの時間を過ごすリビングを中心に、窓から見える景色を大切に、雪の落雪計画も考慮した建物を配置としました。

勾配天井のおおらかな空間
プランは日が建物の中に入ること、太陽光がよく発電をすること、窓から見える景色などをベースに考えました。建物は平屋ですが、LDKの空間を全て勾配天井にしたことで空間にメリハリがつき、より開放感が生まれ、広がりのある住まいになりました。
表廊下と、裏廊下を設けてキッチン~洗濯室~クローゼット~廊下と、回遊できる動線で使い勝手のよい間取りも特徴です。

断熱7・耐震3の快適で安心できる住まい
お施主様の一番のご希望は「快適な家に住みたい」ということ。
山形の住宅は、みんなが集まる居間だけがとても暖かく、扉を開けて一歩廊下へ踏み込むと外のように寒い家も少なくありません。「雪だから寒いのは仕方ない」と仰る方もいますが、その概念を覆す温熱環境をつくりました。
断熱材を屋根・外壁ともに充填断熱と付加断熱の二重施工により雪国の寒い冬でも暖かい住まいになるよう断熱性能を高め、断熱等級7(HEAT20・G3レベル)の性能値を取得し、高断熱・高気密住宅に。
雪国だからこその選定
空調設備は、全館空調「パッシブエアコン」を導入。
地方の住まいは、家族が一緒に暮らす時間も長いことから部屋数の多い住まいが多く、どの家も外壁にエアコンの室外機が何台も据え付けてある風景をよく目にします。
全館空調パッシブエアコンは、1台のエアコンと室外機で家中の冷暖房を行うため、室外機は1台。機械室の給湯設備とまとめて設備計画することで、雪に覆われる心配もありません。

わずか4.0kWのエアコン1台で建物全体を常時適温に保ち、一年を通して快適な住環境をつくります。建物の断熱性能を高めることによって、空調が効率よくはたらき、光熱費を抑えることにもつながります。
耐震性能は許容応力度計算を実施した上で耐震等級3を取得。
「山形は地震が少ないから安心」という声を耳にする地域ですが、今地震はどこで起こっても不思議ではないことや、積雪2m地域の冬本番に地震が起こる最悪の状況を考慮して、積雪2mの許容応力度計算を実施した耐震等級3を取得しています。
地震の多い日本では耐震性能の高い住宅を選ぶことで、家族の安心・安全を守ることができます。

増木工務店で設計監理を行わせていただき、地元・米沢市の工務店、網代建設様に施工管理をしていただきました。設計段階で、施工詳細まで検討し、工場でパネル化して、現地で組み立てる「大型パネル工法」にて上棟を行いました。
増木工務店、米沢市で2棟目の建築となりました。その地域に根付く生活文化や素材を取り入れ、最先端の建築技術を採用した高品質で建築する住まいづくりをこれからもご提案していきたいと思います。
撮 影
カメラマン|根岸 功
記 事
増木工務店|堀越
Kenchiku Date
設計監理
(株) 増木工務店
(株) 網代建設
木造平屋建て
447㎡|135坪
建物性能
耐震性能
耐震等級3|許容応力度計算実施
断熱等級7|HEAT20 G3|UA値0.23W/㎡•K
断熱性能
気密性能
竣工時測定結果|0.1 ㎠/㎡
構 造
木造在来工法
断熱仕様
屋根断熱|ネオマフォ-ム80㎜+グラスウ-ル180㎜
壁充填断熱|グラスウ-ル100㎜
壁付加断熱|スタイロフォ-ム75㎜
101㎡|30坪
2025年|注文住宅