土のある暮らし
トコみど お庭の環境改善WS【水編】

雨を地中へ還す「雨落ちづくり」ワークショップ
コンセプトハウス「トコみど」にて、中央園芸さんを講師にお迎えし、「土と水と風を整える 〜お庭の環境改善ワークショップ〜」第2回を開催しました。
今回のテーマは、屋根からの雨水を地中へやさしく浸透させる「雨落ちづくり」です。
雨水を「流す」から、「還す」へ。
一般的な住宅では、屋根に降った雨は雨どいを通り、浸透桝へ流されます。しかし近年は、豪雨の増加や経年による泥詰まりなどによって、本来の機能が十分に発揮されていないケースも少なくありません。
トコみどの浸透枡を見てみると、泥詰りによって雨水は浸透しきらず、溜まったままになっていました。

そこで今回取り組んだのが、雨水を一か所に集めて排水するのではなく、ゆっくりと地中へ還していく「雨落ち」の仕組みです。
雨水をろ過しながら分散して浸透させることで、雨水が地中で循環する仕組みをつくることができます。
「雨落ち」とは、雨水のエネルギーを受け止める仕組み
雨落ちは、屋根から落ちる雨水を単に処理する設備ではなく、雨のエネルギーを受け止め、地中へ分散浸透させるための小さな水循環装置です。
①溝を掘る→②焼木杭を打つ→③石や瓦を入れる→④藁・落ち葉・炭を入れる→⑤玉砂利などで仕上げる、構成でつくりました。
石や瓦の隙間が水と空気の通り道となり、藁や落ち葉などの有機物は、土中環境を育てる役割を果たします。
藁や落ち葉などの有機物は、微生物の住処となり、時間をかけて土へ還っていきます。炭は通気性や保水性を助け、土壌環境を安定させる役割を持っています。
雨落ちは、単なる排水設備ではなく、水・空気・微生物が循環する土中環境を育てる仕組みです。
空堀が担う「地表の水脈」
今回は雨落ちとあわせて、敷地内に3か所の「雨池」もつくりました。
雨池とは、水を常に溜める水路ではなく、雨が降ったときだけ一時的に水を受け止め、ゆっくり流しながら地中へ浸透させる浅い穴のことです。
雨落ちから流れた水を雨池へつなげることで、屋根の雨水を「排水」ではなく、敷地全体の循環へ変えていく仕組みを体感することができました。

第1回【土】編でつくった水脈と、今回つくった雨落ちを、雨池につなげることで、屋根からの雨水を一点に集めて排水するのではなく、庭全体へゆるやかに分散浸透させることで、
微生物環境の回復
夏場の乾燥緩和
庭全体の温熱環境の改善
につながっていきます。
地中に水と空気が循環し始めると、土は少しずつ柔らかくなり、植物や生き物が育ちやすい環境へ変化していき、その外部環境は家にとっても、とても良い影響を与えてくれます。
また、健全な土壌環境は庭だけでなく、そこに建つ家の住環境にも良い影響を与えてくれます。
地中に水分と空気が適切に循環することで、敷地内の湿気が滞りにくくなり、夏場の蒸れや熱だまりが緩和されます。
さらに、樹木が深く根を張り、庭全体の環境が安定していくことで、風や光、水がやわらかく巡る、心地よい外部環境が育まれていきます。
家だけを整えるのではなく、土・水・風の循環から住まいを考えること。それが、長く心地よく暮らせる住環境につながっていくのだと、ワークショップを通して感じました。

次回は、6月6日(土)【風】編を開催予定です。
最終回のみの参加も大歓迎です。庭の環境を自然の力で整える方法にご興味のある方は、ぜひご参加ください。

















