暮らしのデータ
2024年3月7日
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Arisa Yamaguchi
猫ちゃんも快適 暮らしのデータ
2022年に建築した、竹林をのぞむ川辺の家。
お引渡しから1年半が経ち、住まい手さんのお家を訪ねると窓辺で猫ちゃんがとっても気持ちよさそうに眠っているのが微笑ましい。増木工務店で初めての断熱等級7(HEAT 20 G3レベル)で建築した住まいです。
若いご夫婦の要望だった暖かい家
この住まいで暮らすのは建築当時、23歳のご夫婦。若いご夫婦からあった大きな要望は「暖かい家にしたい」それだけでした。ご実家の寒い環境が忘れられず、自分の家は暖かくしたいというご主人のご要望から始まった土地探し。
所沢市にあった接道2m、川辺に接する約40坪の土地を見つけた時、ここに平屋ベースの高性能な暖かい家を提案しようと思いました。その提案からトントン拍子に計画が進み、2022年に竣工。1年半が経ち、川辺の家での暮らし方にも慣れてきた2023年。全館空調•パッシブエアコンでの暮らし方にも慣れ、夏涼しく冬暖かい暮らしにご夫婦だけでなく、猫ちゃんにもご満足いただいている様子。
川辺の家の立地
川辺の家は、南道路に2m接道している旗竿敷地。
建物南側には2階建の住宅が迫っており、南の陽を期待するのは難しかったため、思い切って北側の大きな窓と•北屋根のトップライトから明るさを確保しています。
川辺に向かって軒を低く抑え、開けている北屋根を大きく。自分で使うエネルギーは自分の家で、できる限り補えるように、北屋根をメインに太陽光発電システム•4.1kWを搭載した、オール電化住宅です。
川辺の家の、夏と冬
北側に大きく開いている夏は、南からの暑くて強い陽射しが入ってくることが殆どないため、外気の影響を受けることは少なく、比較的エアコンを使用する時期を短期間で抑えられます。
逆に冬は、太陽熱を室内に取り込みたいところですが、周辺環境から難しいためOMソーラーの全館空調•パッシブエアコン(4.0kW)1台を24H運転させ、家中温度ムラのないよう足元から暖めます。
気候の良い春•秋の時期は、窓を開けて南北に風を通して過ごします。
川辺の家は、北側に川が流れているため、初夏の時期は川からの涼しい風が流れてきます。その涼しい風を上手く室内に取り込むことで、自然エネルギーの利用に繋がります。
2023年1年間 暮らしのデータ
川辺の家の2023年1年間の電力量と光熱費のデータを集計しました。
高性能な住まいで省エネに暮らすだけでなく、建物周辺の外部環境や、自然エネルギーと上手く付き合って暮らすことで、さらに小さなエネルギーで暮らすことができます。
川辺の家は、北屋根メインの太陽光発電ではありますが、売電量も含めると電力自給率75%のを実現していました。
関東で暮らすのに、断熱等級7(HEAT20 G3レベル)の断熱って必要ですか?
と、ご質問をいただくことがあります。もちろん建築費もその分高くなり、イニシャルコストは増えますが、手を伸ばして届くのならば高断熱化も、創エネルギーも、今できる最大限を目指すべきと思います。それが、住まい手さんにとっての幸せと健康に繋がり、未来への資産価値になっていくと、私自身も実感しています。
何年経っても、住まい手さんに喜んでいただける家。つくり手である私たちはもちろんですが、このお家も、きっと喜んでいると思うとさらに嬉しくなります。
川辺の家•オール電化住宅の性能
➖ 建築面積|64㎡(19坪)
➖ 延床面積|98㎡(29坪)
➖ 構 造|木造テクノストラクチャー工法
➖ 耐震性能|耐震等級3•許容応力度計算実施
➖ 断熱性能|断熱等級7•HEAT 20 G3(UA値 0.26W/㎡•K)
➖ 気密性能|竣工時測定結果 C値 0.5 ㎠/㎡
➖ 窓|アルス夢まど•YKK AP APW330