性能向上リノベーションという選択
●今の住まいを売却して別の住まいを購入する(住み替え)
●今の住まいを全て解体して新しく建てる(建て替え)
●今の住まいを活かして更に長く住めるようにする(リノベーション)
様々な選択肢の中から私たちがT様にご提案したのは、建物を小さく構造を整え断熱と自然素材で設える性能向上リノベーションでした。
築40年の中古戸建を約8年前に購入されたT様。
雨漏れや小動物の侵入、冬の寒さに悩み、ご家族で「住まいづくり相談会」にお越しいただいた事がきっかけで計画がスタートしました。具体的にこうしたいという相談ではなく、幼いお子様の成長と共に家族が健康で安心して暮らせるように何とかしたいとの事でした。
住まいの周辺は閑静な住宅街。近隣の庭木も四季折々に変化し街散策が楽しめます。
計画敷地は約50坪と都内にしてはゆったりとした面積ですが旗竿敷地いっぱいに建物が建っており風が通り抜けない印象でした。
室内は廊下がとても寒く、リビングは加湿器と暖房を稼働し続けている状況でしたが、床や柱は美しさを保ち凛とした佇まいでした。
検討の結果
・周辺環境や地盤が良好であること
・建物の形状が整っていること
・建物を建て替えるよりはコストが抑えられること
以上の理由により光と風の通り道を設け、ちいさな上質の箱をつくるというコンセプトで性能向上リノベーションをご提案し、みぞれ交じりの真冬の季節にコンセプトハウス【トコみど】で暖かさと心地よさを体感いただき計画を進めるご依頼を頂きました。
減築計画
複雑な屋根形状を整え、建物の大きさを整理する事で南北の風が通り建物も強固になります。また、シンプルな建物は断熱材で外側をくるみやすく、小さなエネルギーでも家中が快適に。更に空間構成は間仕切りを細かく設けない弊社の新築工事(木造ドミノ住宅工法)と同様に空間をおおらかにつなぎます。
お子様の成長と共に築40年の住まいも蘇り更なる年を重ねる事のできる住まい。これからが楽しみです。
最後に、リノベーションで何より大切なのは、耐震性をいかに向上させるかが最も大切だと思います。
そのため、私たちは解体後の状況確認と実測に基づく構造計算や耐震シュミレーションを実施しながら、補強工事を進めます。完成後計画通り耐震性能が向上したか計測で再確認して確かめる。計画と実測の両面の確認が必須と考えます。
新しい柱と既存の柱。混在する構造でいかに地震の揺れに影響を受けない住まいにする事ができるのか、その計画について詳しくご説明させて頂きたいと思います。
皆様のご来場お待ちしております。