建築は、その場所の環境を育む。
私たちは建物を通して、その土地が本来持つ風土を活かし、環境を育み、未来へつなぐ仕事をしています。
建物の配置、庭のあり方、土の残し方、植える木々。
そして、雨や風、陽の活かし方。
その一つひとつの選択は、住む人の暮らしだけでなく、その場所の風景や環境、そして地域の未来へとつながっています。
一方で、近年は猛暑や豪雨など、これまで経験したことのないような気候の変化を身近に感じるようになりました。
その背景には、地球規模の気候変動だけでなく、土が減り、緑が失われ、雨を受け止める場所が少なくなるなど、私たちが積み重ねてきた住まいやまちづくりのあり方も無関係ではありません。
だからこそ、一棟の家から環境を見つめ直したい。
「自然に逆らわず、自然を活かす」
自然を制御するのではなく、その土地が本来持つ力を引き出し、人と自然がともに心地よく暮らせる環境を育むということ。
その想いをかたちにした住まいが、このコンセプトハウス「雨のき晴れ」です。

雨を迎え、陽を蓄え、循環を育む。
この家で目指したのは、住まいの中に、本来あるべき循環を取り戻すこと。
雨の日も、晴れの日も、自然はいつも、この土地に恵みを届けてくれています。
その恵みを無視したり、無理に制御するのではなく、住まいの中で、自然が本来の役割を果たせる環境を目指しました。

「雨のき晴れ」の「き」には、
木を育み、
気を巡らせ、
季を感じ、
機によって自然の力を活かす。
そんな想いを込めています。
自然が本来もつ力が働き、雨も、陽も、風も、土も、それぞれが本来の役割を果たし、この場所に循環が還る。それが「雨のき晴れ」です。
スケジュール
見学時間
10:00 / 13:00 / 15:00 / 17:00(各回20分前から入場受付開始)
※各回1.5時間の見学枠を設けております。
タイムスケジュール
自由見学(40分)→ 住まい手の話(30分)→ 自由見学・個別相談等(20分)
※住まい手の話はセミナー形式で行います。参加は自由です。この住まいの設計意図、地域のこと、増木工務店の建物づくりについてお話します。
注意事項
事前予約必須 / 駐車場なし / 靴下着用必須
循環を支える5つの仕組み
「雨のき晴れ」は、雨、陽、風、土、木。自然が本来持つ力を住まいの中で生かし、それぞれが役割を果たすよう設計しています。
その一つひとつの積み重ねが、住まいの中に循環を生み出し、心地よい暮らしと地域の環境を育んでいきます。
①雨を迎える
雨水を流すのではなく、土へ還す。
これまで駐車場にはコンクリートが打設されており、そこに落ちた雨水は側溝へと流れていました。私たちは「脱コンクリート」を掲げ、既存のコンクリートは全て解体し、30坪の土地に庭を「雨庭」にリノベーション。

雨庭は、降った雨をゆっくりと地中へ浸透させます。雨は土を潤し、その水を木々が吸い上げ、大きく育つ。そんな水の循環を支えます。雨を「厄介なもの」ではなく、「地域の恵み」として迎え入れることにしました。
②陽を蓄える
晴れの日の太陽の恵みを、暮らしのエネルギーへ。
冬、一番暖かく心地よいのは、エアコンで温度調整された室内に居る時ではなく、太陽の熱が背中に当たっている時。OMソーラーは、冬、屋根に当たる太陽熱を集めて床下へ送り込み、家全体へと循環させます。機械だけに頼るのではなく、太陽が持つ本来の力を暮らしに中で生かす仕組みです。
③緑が風を育てる
風が通れば、住まいはもっと心地よくなる

木々の葉を抜けた風は、熱をやわらげて湿度を整えてくれます。窓の前に緑を設けているのは景色だけではなく、木陰で冷やされ、土の潤いをまとった風を取り入れるため。今回はリノベーションのため、建物配置や窓の位置は大きく変えることができない分、庭の植栽を設計し、緑が風を育てる環境をつくりました。
④土を育む
武蔵野台地が育んできた土地を、そのまま住まいの力に。
「雨のき晴れ」が建つ武蔵野台地は、長い時間をかけて雨を受け止め、水を巡らせ、豊かな土を育んできました。
私たちは、その土地が本来持つ力をできるだけ損なうことなく、住まいづくりへ生かしました。

土は、ただ植物を育てるためのものではなく、雨を受け止め、水を蓄え、風を和らげ、生きものを育み、暮らしを支える基盤です。
だから私たちは、できるだけ土を残し、武蔵野台地の力を、そのまま住まいに生かしました。
⑤木を育てる
木は、未来のインフラ。
近年の家づくりでは「メンテナンスフリー」であることが、一つの価値として求めらえるようになりました。
「草が生えないこと」
「落ち葉がないこと」
そんな住まいが快適で、便利なものして選ばれてきたように思います。
もちろん、それにも理由はあり、共働きで忙しい毎日で手入れの負担を減らしたいという思いは自然なことです。しかし、その便利さを積み重ねた結果、私たちが知らず知らずのうちに失っていたものも大きいように思います。
木がなくなれば、木陰はなくなる。
土がなくなれば、雨は浸み込まない。
鳥や虫の居場所は減り、風景が少しずつ変わっていきました。
一つひとつは小さな選択でも、それが積み重なると地域の環境そのものを変えてしまいます。だから私たちは「土を残して、緑を植える」ことを一番にコンセプトに掲げています。
一本の木は、一本の環境です。私たちは、木を未来のインフラだと考えています。





