私たちは、ただ高性能な家をつくるだけでなく、その土地の街並み•環境•風土を読み取り、太陽の光と熱、風の道など、自然のエネルギーも暮らしに取り入れながら五感で心地よさを感じる空間づくりを目指します。 季節に合わせた自然のエネルギーを利用するために、建物周りはできる限り土を残すことを心がけています。視覚的な癒し、暮らしの楽しさ、日射遮蔽、昼光利用などを考慮して、お家の周りに庭づくりの計画も同時に進めていきます。 ​高断熱で省エネは当たり前。高断熱＋自然エネルギー活用が基本設計です。

家は個人のものですが、家の庭を含めた外観デザインは街に開くものであり、地域の共有物という考えもあります。いつの時代も「トレンド」がありますが、一時的な流行りに流されるのではなく、その地域に馴染むシンプルで誠実な素材を用いた、いつまでも色褪せないデザインで一軒の住まいから街並みを豊かにできたらと考えています。 住まい手さんはもちろん、ご近所さん、通りすがりの方にも「この家がこの街にあって良かった」と思っていただける街並みづくりを目指します。デザインにも数字では現せない、色褪せない価値があると思っています。

建築の仕事は規模が大きい分、地球環境に与える影響も大きいのです。 外壁や屋根、室内の壁、床、扉など、最後処分する時には、また再利用することができる、または土に還すことができる「循環する素材」選び、経年変化を楽しめる暮らしを目指します。 昔の家は、藁や石や土などの自然の材料で建物を建築していました。今は大量生産の時代になり、プラスチックや石油でつくられた、腐らない製品ばかり。それは最終的に自然に還す​こともできず、処分に困る。どんな素材を選定するかで、未来の環境負荷を少し抑えることができるかもしれません。その積み重ねが大切だと思っています。

窓は、光と風を通し、その先の景色を切り取る役目があります。しかし、熱の出入りが大きく温熱環境にも影響するため、あちこちに窓を設けるのではなく、本当に必要な所へ設け、その先に見える景色を大切にしています。