暮らしを楽しむ

価値ある建物を後世に残す
増木工務店の住まいづくりのコンセプトの一つです。
安心して住み続けてもらえる住まい、そして永く愛着を持っていただける住まいを目指し、私たちはなるべく自然素材を選定しています。
新建材など、工場で大量生産されるものは施工性やコスト・メンテナンスの部分では優れていますが、経年劣化していくのも事実です。また、つくり手である方の顔が見えることの安心さも、愛着を持っていただける要素の一つではないでしょうか。その中の一つである床材に、私たちは埼玉県の県産材「西川材」を採用しています。
埼玉県を拠点とし活動する中で、何か県に貢献できないかという思いと、多々ある県産材の中でも特に年輪が緻密で節の少なく、木目が綿密で艶が良い岡部材木店さんからの「西川材※1」を標準仕様としています。
床は普段、生活する上で一番肌に触れる時間が多い所。
人の油によって垢板は徐々に飴色になっていき、その様子はとても美しく、どこか愛らしいものだと感じます。
※1|主に飯能市、日高市、毛呂山町、越生町の山で育てられている。江戸時代、「西川林業地」と呼ばれる埼玉県の南西 部(荒川支流の入間川、高麗川、越辺川流域)で、主に木材を筏で江戸へ流送していたことから「江戸(東京)の西の川からくる木材」という意味で、この地域の木材を「西川材」その生産地を「西川林業地」と呼ぶようになったそうです。
平成21年(2009年)には、地域ブランドとしても認定を取得しています。
※参照|飯能市ホームページ
伐採現場を見学
そんな西川材はどんな所で、どんな人が携わって作られているのでしょうか。
今年の9月から始まった、飯能市役所さんが主催する「木の建築塾〜木の家探訪〜」に参加し、伐採現場や製材している工場など、実際に見て、木材の流通について学んでいきます。
第一回目は「森林と林業」をテーマに、実際に西川材を育てている山へ行き伐採現場と山からの搬出作業、次なる買取業者さんへ受け渡すまでの一連を学んできました。
今回見せて頂いたのは埼玉県飯能市にある山。
山を管理し木を育てている「林家」さんによると、今回の山はおよそ390年前から代々守り続けてきたとのこと。伐採する木はおよそ100年かけて育てられたヒノキでした。
1代でおよそ30年。祖父から父へそして孫の代へ、3世代に渡り受け継がれてきたそうです。
地域の風土がここで育つヒノキやスギの生育に適しているとともに、しっかりと林家さんが管理し、打ちや間伐など一つ一つ丁寧に手入れを重ねてきたことによって、現在「西川材」として私たちの元へ、そして住まい手さんへと受け継がれてきているのです。
林業の大変さと壮大さ
山に生えた木は一次産業と言われる林業を職とする職人さんが一本づつ伐採しています。
1本伐採し、山から搬出するまでにかかる時間はおよそ1時間とのこと。
木の根元に少しづつチェーンソーで切り込みを入れ下山側へ倒した後、山から搬出しやすいように肩鎖(けんさお)と呼ばれる道具を用い、3〜4mごとに切断します。切り分けられた木は「丸太」となり、傷がつかないよう一本一本丁寧にショベルカーでトラックへと積み込みます。
伐採を終えた後の山には丸太からのヒノキの香りが漂います。
目の前で見れた伐採・搬出作業には、大きな迫力とともに改めて沢山の人の手間がかかっていることを、目と肌で感じることができました。
搬出された木材はどこへ?
山で伐採された木は、原木センターへ運ばれます。原木センターでは伐採した木を樹種や長さ、丸太の径、曲がり具合ごとに分け、価格を設定し、製材業者や木材販売業者に買い取ってもらう準備を行います。
昔はよく、木のせりが行われ、全国から西川材を求めて人が集まっていたそう。
その様子のビデオも見せていただきましたが、今ではなかなか見れない光景に驚きでした。

分けられた丸太は購入する人の目によって使用用途が変わるとのこと。
節が多いのか少ないのかも当たり外れがあったり、長年の経験や勘、買取る側の人の目が光るところです!
そして、いよいよ
買い取られた木材は製材工場へと行き、加工場にて構造材やフローリングなどに加工されます。
次回からは「製材と木材」〜「大工技術と木組」をテーマに、実際に木材が加工される様子を見学したり、伝統的な建築技術で刻んだ材木を実際に組み立てるWSを行いながら、さらに掘り下げて学んで行きます。

もしご興味ある方いらっしゃいましたら、ぜひ一緒に参加してみませんか?
こちらのURLもよろしければご覧ください!
※岡部材木店HP|https://zaimokuten.com/
※木の建築塾|https://hanno-eco.jp/?p=we-page-entry&spot=559336&cat=22372&pageno=3&type=list