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自然と温熱環境

2023年5月8日

グリーンカーテンのすゝめ

記事|
山口愛莉沙
グリーンカーテンのすゝめ

5月に入り、ホームセンターや園芸屋さんで野菜の苗を見かける季節になりました。

今日はグリーンカーテンのお話しです。

キュウリやゴーヤ、朝顔など、ツル系の植物を窓に吊るして育てるグリーンカーテン。苗が育ち、実っていく様子が室内から見えてとても楽しく、自分で育てた野菜を収穫できた時は、それは嬉しいものです。


ゴーヤのグリーンカーテン

これからの季節、窓からの日差しが室内の温度に大きく影響してきます。

昨年の夏、自宅でグリーンカーテンの温度測定を実施しました。今は、高気密•高性能な住宅を建築し、1年中快適な暮らしをご提案していますが、建物だけで快適な空間をつくるということではなく、住まい手さんの手による暮らしの工夫でさらに快適な空間になります。



この家は、1階南側に大きな掃き出し窓が2つあります。

窓寸法•方位•日当たり条件がほぼ同じ窓で、何もしない窓(左側)と、ゴーヤのグリーンカーテンを吊るした窓(右側)。それぞれの窓の温度がどのくらいになっているのか、表面温度を測定してみることにしました。


 

測定の内容

■ 測定日 |2022/08/22 12:00

■ 外気温 |31.5℃

■ 窓の種類|アルミサッシ•複層ガラス

■ 比較内容|グリーンカーテン設置の有無



【左側|何もしていない窓】

カーテン未設置



•窓ガラス表面温度:30℃
・窓アルミフレーム表面温度:32℃
•窓前の床(タタミ)表面温度:35℃



【右側|グリーンカーテンを設置した窓】

•窓ガラス表面温度:28℃
・窓アルミフレーム表面温度:31℃
•窓前の床(無垢フロアー)表面温度:26℃

 

温度測定結果のまとめ

■ 窓ガラス 【なし:30℃】•【あり|28℃】

■ 窓フレーム【なし:32℃】•【あり|31℃】

■ 窓前の床 【なし:35℃】•【あり|26℃】



グリーンカーテンの有無により、室内の表面温度に変化が見られるのが分かります。

窓ガラスやフレームは、そこまで大きな差はありませんが、グリーンカーテンを設置をすると、植物が緩衝帯となり、外気の熱を緩和してくれています。


そして窓前の床は、表面温度差が9℃ありました。何時間も直射日光を浴びている左側の何もない窓前は直接日差しが差込み、その熱が蓄熱され、結果室内温度を上昇させます。

一方でグリーンカーテンを吊るした右側の窓は、ゴーヤのグリーンカーテンが窓全体の緩衝帯となっているため、窓前の床は木陰になり、温度は25℃と快適な室内温度になっています。



このように、少しの工夫で夏場の余計な外気を室内に取り込まないことができるのです。


グリーンカーテン以外にも、簾(すだれ)や打ち水、庇など、夏の熱い日差しを遮る方法は沢山ありますが、私たちが1番おすすめしたいのはグリーンカーテンです。

室内から見える緑の風景と、葉っぱの隙間から微かに入っている太陽の光が美しく、収穫期にはたくさん実りをつけてくれるゴーヤや、キュウリは収穫して食べる楽しみもあるからです。


今年の夏グリーンカーテンをやりたい方は、もう苗を植え始めましょう!

植物は1日、2日で育つものではありません。スケジュールを立てて実践することが大切です。ぜひ挑戦してみてくださいね。窓の前に土がないお家は、プランターでも大丈夫。

「土を残して、緑を植える」私たちがつくる家は、家単体ではなく、その周りの環境をつくることで成り立ちます。住まいの快適な温熱環境は、建物の性能や設備だけに頼るのではなく、自然の力を味方につけることが大切だと思います。


1つの苗を植えることで、いくつものメリットがあります。ぜひ、今年の夏はグリーンカーテンに挑戦してみてください。


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山口愛莉沙
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